新規営業は、知識や経験の少ない新人や若手営業マンにとっては、多くの障壁がありなかなか成果を出すのが難しいと言えます。
最初のアポイントを取るまでには何度も断られ、時には自信を失うこともあるでしょう。しかし、営業スキルを磨き、メンタルの管理を適切に行えば、着実に成功への道は開けてきます。
本記事では、新規営業における「アポイント取得のコツ」「訪問マナー」、そして「折れないメンタルの育て方」について詳しく解説します。これらの知識と実践により、新規営業を成功へと導く自信を手に入れましょう。
新規営業がつらい理由
新規営業の難しさは、成果が見えるまでに時間がかかることや、頻繁に断られることにあります。これらが精神的な負担となり、つらさを感じやすい要因です。
しかし、つらさの原因を理解し、対処法を知ることで、徐々にその苦しさを乗り越えることが可能になります。以下ではまず、新規営業がつらいと言われる理由について解説していきます。
短期的には成果が見えにくい
新規営業は、初期段階ではすぐに成果が出ないことがほとんどです。特に、アポイントを取るまでの段階では、いくら電話をかけても結果が出ず、自信を失ってしまったりストレスがたまるかと思います。
業種によっては、電話を100件かけて、初めてアポイントが1件取れたというのも珍しくありません。
このような状況で、短期的な目標を立ててしまうと、目標の未達成が続いてしまい大きなストレスを抱えてしまいます。そのため、新規営業においては長期的な目標を設定することが大切です。
また、「今日は100件の電話をかける」「1週間で〇件のアポイントを目指す」といったように、成果目標ではなく小さな行動目標を設置し、達成していくことで、少しずつ自信をつけることができます。
断られることの連続で自信を失いやすい
上記でもお伝えしたように、新規営業では断られることがほとんどです。たとえば、「興味がない」「もう取引している会社がある」といった理由で断られることが多く、これが続くと「自分には営業の才能がないのではないか」と感じてしまうこともあります。
そこで大事なのが、断られることを失敗と捉えないことです。例えば「話すスピードが早すぎたかもしれない」「相手のニーズを掴むためにもっと質問が必要だった」など、断られた原因を振り返り改善しながら取り組むことで、少しずつ成功への道が見えてきます。
新規営業は改善の連続であり、成功するためには「失敗」を「学び」に変える姿勢が重要です。
自分に合った営業スタイルが見つけにくい
営業と言っても、細かく分離するとさまざまなスタイルが存在します。
例えば、商談のシーン一つ取っても、論理的なアプローチ手法と感情的なアプローチ手法があります。
論理的なアプローチでは、データや理論に基づき、具体的な数値や事実を提示して相手を説得する手法です。例えば、エンジニアや技術者といった相手には、このアプローチが有効だと言えます。
一方、感情的なアプローチは、相手との信頼関係を築くことを重視し、感情に寄り添ったコミュニケーションを通じて相手の共感を得る方法です。これは、地域に密着したビジネスや、感情的なつながりを重視する顧客に対して効果的だと言えるでしょう。
これは商談におけるアプローチの一例であり、ルート営業と比較すると
新規営業では、当然ルート営業と比べてクライアントと少ない接触回数でこれらを見極めなければいけないため、ハードルが高いと言えます。
これらを踏まえた上で、次の章では、新規営業が成果を上げていく上で必要なテクニックやコツを消化していきます。
電話アポイントでのテクニック
まずは電話でアポイントを取る際のテクニックを紹介します。
電話でのアポイント(以下、テレアポ)は、新規営業の基本です。特に相手と直接顔を合わせない分、声のトーンや内容の伝え方が非常に重要になります。
以下ではテレアポの成功率を上げるための、①効果的な第一声、②適切な質問、③クロージングの技術を紹介します。
相手の関心を引く第一声のポイント
テレアポでは、対面の商談とは違い相手の情報量が少ないため、第一声での印象が成否を左右します。
例えば、電話をかけて最初に「お忙しいところ失礼いたします。〇〇株式会社の〇〇と申しますが、少々お時間よろしいでしょうか?」という丁寧で簡潔な言葉を使うと、相手に配慮している印象を与えます。
逆に、「弊社の取り扱っている〇〇のご説明をしたいのですが‥‥」と、最初から一方的に商品やサービスの説明を始めてしまうと、相手は身構えてしまい、早く電話を切りたくなってしまいます。
また、声のトーンも重要です。明るく、元気な声で話すことが好印象を与え、相手が耳を傾けやすくなります。
相手のニーズを引き出す質問の仕方
電話でのアポイント取得の成功には、相手のニーズを引き出すことが不可欠です。
例えば、「弊社で解決できる課題があるかもしれないので、一度お伺いさせていただいてもいいでしょうか?」と質問したところで、課題を課題だと認識していない相手からしたら、「今は困っていないので大丈夫です」と断れてしまいます。
しかし、相手がどのような課題を抱えているかを探るために、「現在の〇〇業務において、何かお困りの点はございませんか?」や「〇〇のような悩みを感じたことはございませんか?」といった具体的な質問を投げかけると、相手は課題に気づき、話しやすくなります。
さらに、「その点について解決策をご提案できるかもしれませんが、一度詳しくお話を伺ってもよろしいでしょうか?」と、相手のニーズに対して提案を匂わせることで、会話を次のステップに進めやすくなります。
アポイント成功率を高めるクロージングテクニック
巧みな質問で相手のニーズを引き出し、興味を持ってもらったら最後はクロージングです。クロージングの際には、曖昧な表現を避け、具体的な日程を提案するようにしましょう。
例えば、「いつがご都合よろしいでしょうか?」「また候補日をお送り頂ければと思います」のようなクロージングは、相手に断る機会を改めて与えることになってしまうため、なるべく避ける必要があります。
逆に、「来週の火曜日か木曜日、どちらかご都合がよろしければ一度お伺いしたいのですが、ご予定いかがでしょうか?」と、日付を明示して提案することで、相手はその場でスケジュールを確認しやすくなります。
もし断られたとしても、「では、また〇月〇日に再度ご連絡させていただきますね」といった形で、次の機会を確保することが重要です。
飛び込み営業で差がつく訪問マナー
次に飛び込み営業の場合です。飛び込み営業では、テレアポと違いリアルでの対面になるため、マナーが第一非常にに大きく営業します。そして、短い時間でいかに相手に信頼感を与え、興味を持ってもらうかがポイントとなります。
ここでは、飛び込み営業における基本的なマナーや効果的なトークについて解説します。
初対面でも好印象を与える身だしなみと挨拶
飛び込み営業は、第一印象が何よりも大切です。
訪問時に相手に好印象を与えるためには、身だしなみが最も基本的で重要なポイントです。スーツやシャツはシワをしっかり伸ばし、靴もきちんと磨いておきましょう。特にBtoBの場面では、信頼感を与えるためにフォーマルな服装が好まれます。
一方、BtoCの飛び込み営業では、フォーマルすぎると逆にかしこまりすぎることもあるので、ターゲットによって適切な装いを心がけましょう。
例えば、家庭を訪問する場合、少し柔らかい印象の服装にすることで、親しみやすさを演出できます。どのシチュエーションでも、清潔で整った身だしなみは相手に安心感を与え、信頼を築く第一歩となります。
身だしなみについてはこちらの記事でも上階しているのでぜひ読んでみてください。
好感の持てる挨拶のコツ
挨拶の第一声は、飛び込み営業において最も重要な瞬間です。初対面の相手に、限られた数秒で自分を印象付けるためには、挨拶の仕方に気を配る必要があります。
まず、元気で明るいトーンを心がけ、「突然のご訪問、失礼いたします。〇〇株式会社の〇〇と申します」と丁寧に自己紹介をしましょう。
BtoBの場合は「お忙しい中お時間をいただきありがとうございます」と相手の時間に配慮した一言を添えると、好感度が上がります。
BtoCの場面では、「少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」といった柔らかい表現が効果的です。また、相手の目を見て話し、程よい距離感を保つことも重要です。目線が下がっていたり、緊張して視線をそらしてしまうと、相手に自信がない印象を与えることがあります。
笑顔を絶やさずに、はっきりとした声で挨拶をすることが、好感を持たれる挨拶の基本です。
そして、BtoB・BtoC共に、必ず
- 会社名
- 氏名
- 要件
は明確に伝えるようにしましょう。
特に要件を曖昧にしてしまうと、相手の不信感は高まり、訪問自体受け入れてもらえない可能性が高くなります。
短時間でポイントを伝える営業トーク術
飛び込み営業では、相手の時間を奪わない短い時間で、いかに効果的に自分の提案を伝えられるかが勝負です。
特に、忙しいビジネスパーソンを相手にするBtoB営業では、「短時間で要点を伝えるスキル」が求められます。事前に要点をしっかりと整理し、簡潔かつ魅力的なプレゼンを準備しておくことが大切です。
例えば、「〇〇のコスト削減に効果がある新しいサービスをご提案させていただきたく、本日お伺いしました」と、相手にどのようなメリットがあるかを一言で伝えると良いでしょう。
BtoCでは、商品やサービスが相手の日常にどのように役立つかを、具体的にイメージさせるトークが効果的です。
例えば、子ども向けの教材であれば「お子様が自ら勉強するようになるのでお母様から手間がかからないと好評をいただいております。」や、定期便であれば「買い物に行く回数が減り、ご自身の時間ができたとの声をいただいております」など、商品の魅力ではなく、商品を購入した後の未来を想像させることが重要です。
また、話が長くなりそうな場合には、最初に「ご説明は3分程度で終わりますので、お時間を少しだけいただけますか?」と前置きしておくことで、相手に安心感を与え、耳を傾けてもらいやすくなります。
冒頭でもお伝えしたように、飛び込み営業では相手の時間を奪わない気遣いが重要です。そのため、BtoB・BtoC共に、その場で成果を出そうとするのではなく、次の商談の機会を獲得ことを目標にするのがいいでしょう。
心が折れない営業マインドを手に入れる
新規営業はメンタルの強さが求められる仕事です。多くの営業マンが、断られることや成果が出ないことに悩み、辞めていきます。
しかし。断られても折れないメンタルを身につけることで、長期的に結果を出し続ける力を手に入れることができます。以下では、強い営業マインドを手に入れるための方法をいくつか紹介します。
自分を責めすぎないための考え方
営業活動で結果が出ないと、「自分には向いていないのかもしれない」と感じてしまうことがあります。しかし、営業の世界では、断られることや失敗はプロセスの一部です。重要なのは、結果に固執せず、その都度のアプローチを見直し、次に活かすことです。
飛び込み営業での失敗は、自分自身の不足を表しているわけではなく、相手の都合やタイミング、ニーズの不一致によるものが多いです。失敗を振り返る際には、「なぜ失敗したのか」ではなく、「次にどのように改善できるか」を考えましょう。
例えば、「相手の話をもう少し聞けたかもしれない」「提案のタイミングが良くなかった」といった具体的な改善ポイントを見つけることが大切です。これにより、失敗が学びとなり、次回の成功へとつながります。
また、時には自分を褒め、成功した小さなポイントを意識することで、自己評価を高めましょう。これがメンタルの安定を保つ大切な要素です。
継続して挑戦するためのモチベーション維持術
営業活動を続ける中で、モチベーションを保つことは非常に難しいです。特に、結果が出ない日が続くと、やる気を失いがちになります。
そこで効果的なのが、日々の小さな目標設定です。たとえば、「今日は10件の新しい会社に訪問する」「1件でもアポイントを取る」といった成果目標ではなく行動目標を設定し、それを達成するたびに自分を褒めることが大切です。
さらに、周囲の営業仲間や先輩とのコミュニケーションもモチベーションアップの重要な要素です。営業仲間と定期的に情報交換を行い、成功事例や工夫を共有することで、新たなヒントを得たり、孤独感を解消したりすることができます。
チームでの成功を共有し合うことで、全体の士気が高まり、自分も前向きな気持ちで取り組むことができます。
長期的な視点で結果を出すメンタルの保ち方
営業で大きな成果を得るためには、長期的な視点が不可欠です。特に新規営業では、すぐに成果が出ることは少なく、結果が出るまでに時間がかかるケースが多々あります。
例えば、BtoBの営業では、最初の訪問では契約に至らなくても、何度か接触を重ねることで徐々に信頼を得て、大きな契約につながることがあります。このように、「今は結果が出なくても、種をまいている」と考えることで、失敗や遅れに対する焦りを軽減できます。
また、長期的な視点での営業活動を続けるには、適切な自己管理も欠かせません。営業活動の合間にリフレッシュする時間を作り、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
適度な休憩や、オフの時間に趣味を楽しむこともメンタルの安定に効果的です。
さらに、営業活動の進捗を記録しておくことも、メンタル維持に役立ちます。例えば、どの企業に何回訪問したか、どのような話をしたか、今後どのような提案をすべきかを記録することで、自分の成長を実感でき、次の行動に対する自信を持ちやすくなります。目に見える形で進歩を感じることで、焦りや不安も和らげられるでしょう。
まとめ
以上、新規営業で成果を出すためのコツについてお伝えしてきました。
新規営業はスキルだけでなく、メンタルの管理も成功の大きな要因です。断られることを前提に、失敗から学ぶ姿勢を持ち続けることが何より重要です。
本記事で紹介したコツや方法を活用し、あなたも新規営業で成功を収めてください。