営業マンなら誰しも一度は、「断られる」といった経験はあるでしょう。顧客から「予算がない」「今は必要ない」などと断られると、「それを言われたらしょうがない」と思ってしまうこともありますよね。
しかし、営業の勝負どころはまさにその瞬間です。断られた後にどのように切り返し、次のステップに繋げられるかが、営業マンとしての力量を試される場面です。
本記事では、商談中に断られた際に使える切り返しテクニックや、顧客の反応を次のチャンスに変えるためのフォローアップの方法について紹介します。
営業の現場で即実践できる内容を網羅しているので、ぜひ参考にして営業スキルを磨きましょう。
断られる理由を理解することの重要性
どれだけ仕事のできるスーパー営業マンだとしても、商談で断られるというのは避けては通れない道です。
しかし、ただ断られたと嘆くのではなく、その理由を明確にし、次に繋げらるかどうかが、できる営業マンとそうでない営業マンの分岐点とも言えるでしょう。
断られた理由がわかれば、今後の対応も見えてきます。以下では、まず断られた理由を明確にするポイントを紹介していきます。
営業マンがよく直面する断りの理由とは?
営業の現場でよく耳にする断りの理由には、いくつかの共通パターンがあります。
- 予算が合わない
- 今は必要ない
- 他社と比較して決める
- 決定権がない
- 既に他社と契約している
このように理由は様々ですが、その背後には共通して「顧客が何らかの不安や疑問を感じている」ことが隠れています。
営業マンは、こうした顧客の発言の背後にある本音や心理を理解することが必要です。
断りの理由を見極めるための質問術
断りの理由を的確に見極めるためには、ただ顧客の言葉を受け入れるだけではなく、適切な質問を投げかけることが重要です。
例えば、「ご予算に関してご不安な点があれば、具体的にお聞かせいただけますか?」といったオープンクエスチョンを用いることで、顧客の隠れたニーズや不安を引き出せます。
質問する際は、顧客に圧をかけず、あくまで自然な会話の中で行うことが大切です。こうすることで、顧客も自分の気持ちを素直に話しやすくなります。
顧客の本音を引き出す聞き方のコツ
顧客の本音を引き出すには、「聞く姿勢」と「共感」がカギです。
話の途中で相槌を打つ、顧客の言葉を繰り返すなど、顧客が安心して話せる環境を作ることが重要です。「それはとても興味深いですね」「確かにそうですよね」といった共感の言葉を交えながら、顧客が本当に感じていることを丁寧に引き出していきましょう。
傾聴する姿勢が顧客の信頼を得ることに繋がり、次のステップへの道を開きます。
聞きだす力を身につけたい方は、こちらの記事もおすすめ!
断られた時の切り返しテクニック
ここからは、代表的な断られ方と、その切り返し方法を具体的に紹介します。断られることは営業プロセスの一部と捉え、適切な対応で商談を好転させましょう。
「予算が合わない」と言われた時の対応方法
「予算が合わない」という断り文句は、営業マンにとってよくあるものです。
しかし、この背景には「価格に見合う価値が見えていない」という理由が隠れています。この場合、価格に対する不安を解消することが重要です。
「ご予算の件でご不安とのことですが、長期的に見たコスト削減効果に注目いただければ、十分に投資に値するものと確信しています」といった、長期的視点での価値を強調するトークが効果的です。また、「月々のお支払いに分割する方法もご提案できます」など、支払い条件の緩和を提案するのも有効な戦略です。
「今は必要ない」と断られた時の切り返し方
「今は必要ない」と断られた場合、顧客が現状の課題に気づいていない、もしくは課題を解決する緊急性を感じていないことが多いです。
この場合は、顧客に潜在的なニーズを再認識させることがポイントです。「現在の運用で不便に感じていることはありませんか?」と質問し、顧客が見逃している課題を引き出すことで、製品の必要性を訴えましょう。
「実際に他社様でご利用いただいている事例では、このような効果が得られています」と具体的な実績を示すことで、顧客に製品の必要性を認識させるアプローチが有効です。
「他社と比較して決める」と言われた際の対応術
「他社と比較して決める」という断りには、顧客がまだ情報収集の段階にいることが多く見受けられます。
この場合、競合との違いや自社製品の優位性を明確に伝えることが大切です。「確かに他社製品も魅力的ですが、弊社は〇〇に特化しており、これが他社にはない強みです」と、自社独自の価値を具体的に伝えることで、顧客に比較ポイントを明示することが効果的です。
また、「他社製品と比較するためのチェックリストをお渡ししますので、ぜひご検討材料にしてください」と、顧客が比較検討をスムーズに進められるようなサポートをするのも良い手法です。
「決定権がない」と保留にされたときのアプローチ
「決定権がないので上司に確認します」と保留にされるケースも少なくありません。
この場合、ただ待つのではなく、次のアクションを設定することが大事です。「上司の方のご懸念点やご質問があれば、ぜひ私が直接ご説明させていただきます」と、上司との直接の接触を提案することで、商談が進む可能性が高まります。
また、「決定者の方にご参考いただけるよう、資料をまとめてお渡しいたします。次回お時間いただけるタイミングで改めてご説明いたします」と、次のステップを明確に提示し、継続的な接点を持つことが効果的です。
「既に他社と契約している」と断られた時のポイント
「すでに他社と契約している」との断り文句は、一見すると難しい状況ですが、実際には改善の余地がある場合も多くあります。
「ご契約中のサービスで、何かご不満な点や改善したい点はございませんか?」とヒアリングを行い、現在のサービスの課題を引き出しましょう。その上で、「弊社のサービスはその点を解決するために、〇〇の機能を提供しています」と具体的な改善点を提示します。
また、「他社の契約更新時にぜひご検討いただけるよう、情報を定期的にお届けいたします」と、長期的なフォローを意識した関係構築を行うことが、次の契約に繋がる重要なアプローチです。
切り返し成功のための心構えと実践のポイント
上記で紹介したようなテクニックを活用したとしても、商談で断られる場面はたくさんあります。そんな時こそ、営業マンのメンタルと対応力が試される場面です。
適切な心構えと日々のトレーニングで、切り返しのトーク力を磨いていきましょう。
断られた後のメンタルを保つ方法
営業の現場では断られることが日常的にあります。大切なのはその度に落ち込むのではなく、冷静さを保ち、次のステップにどう活かすかを考えることです。
断られた理由を「自分への否定」と捉えるのではなく、「顧客のニーズに対する理解不足」として反省材料にすることで、成長の糧にしましょう。ポジティブな思考を維持するために、自分の成功事例を振り返ったり、同僚や先輩からフィードバックを受けることも効果的です。
切り返しのトークを磨くための練習法
切り返しのトーク力は一朝一夕で身につくものではありません。日々の練習と実践が必要です。
効果的な練習法の一つがロールプレイングです。チームメンバーとシナリオを設定し、様々な断られ方に対して柔軟に対応できるよう練習しましょう。自分のトークを録音し、客観的に振り返ることもトーク改善の良い手段です。
練習の積み重ねが、実際の商談での自信に繋がります。
失敗を次に活かすフィードバックの受け方
ここまで何度もお伝えしてきたように、商談が失敗に終わった時こそ次に繋げるチャンスと捉えましょう。
顧客から直接フィードバックをもらえる場合は、「どの部分がご期待に添えなかったのか」を素直に尋ねることで、自分の改善点が明確になります。
また、社内で先輩や同僚に商談の内容を振り返ってもらい、アドバイスを受けることも非常に有効です。フィードバックをポジティブに受け入れ、常に改善を意識する姿勢が、次の商談の成功に繋がります。
断られた後に追い風に変えるフォローアップ戦略
断られた商談をそのまま終わらせるのではなく、フォローアップによって次のチャンスに繋げることが重要です。
断られた後もアプローチ次第では、別案件の相談や顧客の紹介などに繋がる可能性は大いにあります。以下では。商談で断られた後のフォローアップについて解説していきます。
商談後のフォローメールの効果的な書き方
商談後のフォローメールは、顧客との関係を深める重要な一手です。「お時間いただきありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えつつ、商談で話題に上った顧客の関心や懸念に触れる内容を盛り込みましょう。
「お話しいただいた〇〇について、さらに詳しい情報をお送りいたします」など、顧客にとって有益な情報を提供することがポイントです。フォローの一環として、顧客にとっての価値を再度伝えることが次のアクションに繋がります。
また、こちらの記事では「お礼メール」の書き方やポイントを解説してます。テンプレートも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
顧客との関係を深める継続的なコミュニケーション方法
商談後のフォローは一度で終わらせず、継続的に行うことが大切です。
定期的に顧客の業界ニュースや、役立つ情報を共有するなど、営業活動を超えて顧客に寄り添う姿勢を見せましょう。これにより、顧客にとって頼りになるパートナーとして認識されるようになります。
営業の現場では、商品やサービスを売ること以上に、顧客との関係性を構築することが長期的な成果に繋がります。
次の商談につなげるためのアプローチ法
一度断られたからといって、そこで諦める必要はありません。
次回の商談に繋げるためには、顧客のフィードバックを基に提案内容を改善し、改めてアプローチすることが大切です。「前回のお話を踏まえ、さらにニーズに合ったご提案をご用意しました」と、自分の提案を進化させたことをアピールしましょう。
また、顧客の業界動向や市場の変化を敏感にキャッチし、それに合わせた提案を行うことで、商談のチャンスを広げることができます。
アフターフォローのメリットや方法を知りたい人には、こちらの記事もおすすめ!
まとめ
以上、『商談で断られら時の切返し方法』について、理由ごとに解説してきました。
商談で断られることは、営業マンにとって避けられない壁です。しかし、断られた時の対応こそが営業の腕の見せ所。
断りの理由を的確に理解し、適切に切り返すことで、商談を成功に導くことが可能です。また、フォローアップを怠らず、顧客との関係を継続的に築くことが次の商談のチャンスを生み出します。
営業の現場で本記事のテクニックを活かし、断られた後の対応力を磨いて、営業成績を飛躍的に向上させましょう!