突然ですが、あなたは自身の第一印象について考えたことや、周りの人から意見を求めたりしたことはありますか?
人は初対面の瞬間に相手の印象を決め、その印象が後々の関係に強く影響を与えます。特にビジネスシーンでは、第一印象が良ければ、その後の提案や交渉がスムーズに進む可能性が高くなります。逆に、第一印象が悪ければ、いくら優れた商品やサービスを提案しても、相手に受け入れてもらうのが難しくなるでしょう。
つまり、特に新規営業において、第一印象は成功の鍵を握る重要な要素です。
身だしなみは、第一印象を左右する大きな要因の一つです。相手に「この人は信頼できる」「プロフェッショナルだ」と感じてもらうためには、見た目の清潔感や服装のセンスが欠かせません。本記事では、新規営業で好印象を与えるための具体的な身だしなみのチェックポイントについて詳しく解説していきます。
営業活動を成功に導くために、ぜひ参考にしてください。
身だしなみが与える影響
「人を見た目で判断するのは良くない」という意見もあるかもしれませんが、今回はあくまでビジネスシーンについての話です。
本記事で扱うのは、人間性の善悪ではなく、あくまで仕事にどんな影響を及ぼすかという視点です。それを踏まえた上で、身だしなみが営業活動に与える影響を掘り下げていきたいと思います。
第一印象は3秒で決まる
私たちは、初対面に対する印象は約3秒で決まると言われています。私たちが出会って3秒で相手に与えられる情報と言えば、視覚情報なのは言うまでもないでしょう。
さらに、メラビアンの法則をご存知でしょうか。メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションを取る際に、言語情報、視覚情報、聴覚情報がどういった割合で影響与えるかというのを示した法則です。
このメラビアンの法則では、私たちは言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%と言う割合で影響受けると言われています。
つまり、身だしなみは第一印象に加え、その後のコミュニケーションにも大きく影響を与え続けることになります。
初対面での信頼構築
初対面の場では、信頼を築くことが何よりも重要です。営業の成果は、相手との信頼関係にかかっていると言っても過言ではありません。初めて会う相手に信頼されるためには、まず身だしなみを整え、清潔感のある姿を見せることが基本です。
人は見た目で多くの情報を受け取ります。清潔感のある服装や整った髪型、しっかりとした態度は、相手に「この人は信頼できる」という印象を与えるために欠かせません。逆に、服装がだらしなかったり、髪が乱れていたりすると、「この人に任せて大丈夫だろうか」と不安を抱かせる可能性があります。初対面で良い印象を与え、信頼関係を築くためには、まず身だしなみを整えることが重要です。
服装と清潔感のバランス
営業の現場では、服装と清潔感のバランスが非常に重要です。どんなに清潔感があっても、服装が場にそぐわないものであれば、相手に違和感を与えてしまうことがあります。たとえば、カジュアルすぎる服装は、フォーマルな場面では軽率な印象を与えますし、逆にフォーマルすぎる服装は、カジュアルな場面では堅苦しさを感じさせることがあります。
そのため、相手の業界や訪問先の雰囲気に合わせた服装を選ぶことが重要です。例えば、クリエイティブな業界では、少しカジュアルなビジネスカジュアルが好まれることが多いですが、金融や法律関係では、フォーマルなスーツが求められる場合が多いです。清潔感とスタイリッシュさを両立させることで、相手に対してプロフェッショナルで信頼できる印象を与えることができます。
身だしなみチェックポイント
ここからは、第一印象を良いものにするための、身だしなみのチェックポイントをお伝えしていきます。
服装の選び方
新規営業の際に適した服装を選ぶことは、相手に対する敬意を示す重要なステップです。服装選びにおいては、訪問先の業界や相手の役職、訪問の目的を考慮することが必要です。ビジネスカジュアルが基本となる場合が多いですが、相手がフォーマルな雰囲気を重視する業界であれば、スーツやジャケットを着用するのが無難です。
また、季節に応じた素材や色合いを選ぶこともポイントです。例えば、夏場であれば通気性の良いリネンや薄手のウール、冬場であれば厚手のウールやカシミアなど、季節感を意識した素材を選ぶことで、相手に対する気配りを示すことができます。さらに、シワや汚れのない清潔な服装は、相手にしっかりとした印象を与えるために欠かせません。
とはいえ、服装については会社で指定されているケースが多いとは思うので、自身で判断する際の参考にしてみてください。
ヘアスタイルと髭の整え方
髪型や髭は、顔の印象を大きく左右する重要な要素です。営業活動においては、髪型や髭を整えて清潔感を保つことが不可欠です。髪は定期的にカットし、スタイリング剤を使って整えることで、清潔感と自信をアピールすることができます。髪が長い場合は、清潔感を保つためにしっかりとまとめるか、シンプルなスタイルに整えると良いでしょう。
髭がある場合も、無精ひげや乱れた髭はだらしない印象を与えるため、定期的に整えることが必要です。髭については、清潔感のために会社の規則で決まっているケースも多いですが、規則がない場合でも清潔感ときちんとした印象を与えるように気を配りましょう。
こうした細部への気配りが、相手に対して「この人は細かいところまで気を配ることができる」との印象を与え、信頼を築く助けとなります。
靴の手入れ
営業マンにとって、靴は見落とされがちなポイントですが、実は非常に重要な要素です。できる営業マンほど、「相手の靴を見たら仕事ぶりが分かる」と言われているほどです。
靴をしっかり手入れすることで、「細部まで気に掛けることができる人」という印象を与え、結果的に相手からの信頼関係を得ることができます。
選び方に関しては、営業の場では黒やダークブラウンのレザーシューズが基本です。派手すぎるデザインやカジュアルすぎる靴は避け、シンプルで上品なものを選びましょう。
また、靴のサイズが合っていないと、歩き方に違和感が生じ、相手に不自然な印象を与えることがあります。試着時には靴下を履いた状態でフィット感を確かめ、長時間の歩行にも耐えられるものを選ぶと良いでしょう。
小物やアクセサリー類
小物やアクセサリーは、個性を表現するアイテムであると同時に、ビジネスシーンでの印象を左右する重要な要素です。営業活動では、過度に派手なものやカジュアルすぎるものは避け、シンプルで洗練されたアイテムを選ぶことが求められます。例えば、腕時計やネクタイ、バッグなどは、機能性とデザイン性を兼ね備えたものを選ぶと良いでしょう。
特に腕時計は、ビジネスマンの必需品として、相手に信頼感を与えるアイテムです。シンプルで上品なデザインのものを選び、ブランドのロゴや装飾が控えめなものが好まれます。
また、ネクタイやバッグも、落ち着いた色合いやデザインを選ぶことで、プロフェッショナルな印象を強調することができます。営業活動においては、小物やアクセサリーの選び方にも細心の注意を払いましょう。
体臭・口臭対策
身だしなみとは少し違いますが、体臭や口臭も営業マンとしての印象に影響を与えるため、見逃せないポイントです。どんなに素晴らしい提案をしても、相手が体臭や口臭に不快感を覚えた場合、その印象が商談の結果に影響を与えることもあります。
例えば、デオドラントスプレーやシートを携帯し、訪問前にサッと一拭きするだけでも安心感が得られます。また、夏場や汗をかきやすい時期には、替えのシャツを持参することも有効です。
口臭に関しては、営業前に歯を磨くことが理想ですが、難しい場合は、口臭予防のガムやミントタブレットを活用しましょう。特に、ニンニクや香辛料の強い食事を避けることも重要です。
加えて、相手との距離感も意識しましょう。適切な距離を保つことで、万が一の対策漏れがあった場合でも、相手に不快感を与えるリスクを減らせます。最後に、緊張や疲労が口臭を引き起こすことがあるため、十分な休息を取り、リラックスして営業に臨むことも大切です。
身だしなみ以外のポイント
身だしなみと言われると、ここまで紹介してきたポイントをイメージする方は多かったと思います。しかし、本記事のテーマである「相手に好印象を与える」というのは、身だしなみだけではありません。
以下では、身だしなみ以外で相手に好印象を与えるポイントを紹介していきます。
表情と態度の重要性
どれだけ身だしなみを整えても、表情や態度が伴わなければ、相手に好印象を与えることはできません。営業活動においては、笑顔や親しみやすい態度が相手との距離を縮める鍵となります。相手と目を合わせ、明るく丁寧な態度で接することで、相手に安心感を与えることができます。
また、相手の話に対して積極的に耳を傾け、適切なリアクションを取ることも重要です。しっかりとした相づちや、身振り手振りをすることで、相手に「この人は私の話を真剣に聞いてくれている」という印象を与えることができます。
相槌や身振り手振りのような、言語以外でのコミュニケーションを「ノンバーバルコミュニケーション」と言います。
営業活動では、ただ話すだけでなく、ノンバーバルコミュニケーションをうまく活用することも信頼関係を築くためには不可欠です。
言葉遣いと声のトーン
営業において、言葉遣いは相手に対する敬意を示すための基本です。敬語を正しく使い、相手に対して丁寧な言葉遣いを心掛けることで、ビジネスマナーを守ることができます。また、相手の年齢や役職に応じた適切な言葉遣いを選ぶことも重要です。
例えば、年上の相手には一層の敬意を払い、若い相手には適度にフレンドリーな口調を取り入れるなど、状況に応じた対応が求められます。
また、声のトーンも相手に与える印象を大きく左右します。明るくはきはきとした声で話すことで、相手に自信を感じさせ、安心感を与えることができます。逆に、低すぎる声や暗いトーンは、ネガティブな印象を与える可能性があるため、適度に明るい声で話すよう心掛けましょう。
声のトーンや言葉遣いは、相手との距離を縮め、信頼関係を築くための重要な要素です。
タイミングと気配り
営業活動においては、訪問のタイミングや相手への気配りが、成功の鍵を握ります。相手のスケジュールを事前に確認し、忙しい時間帯やミーティング直後など、負担がかかるタイミングを避けることが大切です。
相手が忙しくいしている時間帯や、お昼休憩を取りたいタイミングで、一方的にアポイントを取ったり話しかけてしまうと、それだけで悪い印象を与えてしまいます。
営業においては、常に相手を中心に考えた行動を心掛け、細やかな気配りを忘れないことが大切です。
まとめ
以上、「第一印象で好印象を与えるための身だしなみ」についてお伝えしてきました。
新規営業はもちろん、どんな営業スタイルでもお客さんに好印象を持ってもらうことは重要です。
第一印象を良くすることで、相手との信頼関係を築き、ビジネスを成功に導くことができます。常に自分自身の身だしなみをチェックし、相手に対して最善の印象を与えるよう心掛けていきましょう。
しっかりと準備を整えることは、あなた自身の自信にもつながります。そして、その自信が、相手に好印象を与える。そんな好循環を手に入ることで、営業成績をどんどん伸ばしていきましょう!